こんにちは!

ウエディングプランナーとして、約1000組の結婚式をお手伝いしてきた茂木です♪

今日も新郎新婦様に一番近い存在として皆様の参考になる記事をお届けいたします。

今回は「印象に残った新郎新婦様のエピソード」について。

約1000組の新郎新婦様との出会い

私はこれまで、ウエディングプランナーとして10年以上に渡り、約1000組の新郎新婦様をお手伝いしてきました。

おふたりのこれまでの歴史も、育ってきた環境も、出会ってきた友人たちも…

それぞれのカップルで全く異なるからこそ、ひとつとして同じ結婚式はなく、何度その場に立ち合わせていただいても、心震えないことはありませんでした。

今回は、そんな数々の新郎新婦様とのエピソードの中から、特に印象に残っているおふたりについてご紹介させていただきたいと思います。

おふたりとの出会い

初めておふたりに出会ったのは、当時私が担当していた結婚式場のブライダルフェアに参加してくださったのがきっかけでした。

明るい笑顔が印象的なご新婦様と、そんな彼女を優しい眼差しで見守るご新郎様。

「どんな結婚式にしたいのか」という私の質問に「家族に喜んでもらえる結婚式にしたいです!」と即答してくださったときの、ふたりの真っ直ぐで熱意ある眼差しは、今でも鮮明に覚えています。

そんな素敵な希望の背景にある、ふたりの思いを伺うと、

新郎様は、進学で早くに実家を出ていること、

やりたい自分の道を反対せずに応援してくれた親御様に感謝していること、一緒に過ごしてきた時間自体は長くはないからこそ、これから恩返しをしていきたいと考えていることを教えてくれました。

新婦様は、10年ほど前にお母様をご病気で亡くされていること、長女である新婦様がお母様の代わりに家族を支えてこられたこと、結婚に伴い家を出ることを心配していたが、家族は自分に以上に喜んでくれたこと、家族に安心してもらえるように幸せな姿を見てもらいたいと考えていることを教えてくれました。

ふたりのご家族への温かな気持ちを伺い、「おふたりのこの素敵な思いが必ずご家族に伝わる結婚式を一緒につくっていきたい!」

グッと胸に込み上げる思いと共に、固く決心した瞬間でもありました。

運命の日取り

おふたりをご案内してる中で、実は私が一番気がかりだったのが結婚式の「日取り」でした。

おふたりが気に入ってくださったパーティ会場は、一番人気の会場。

さらに、ご希望のシーズンも、人気の秋シーズンということも相まって、予約状況はほぼ満席状態。

おふたりとゲストに安心してご検討いただける日取りをご提案できるか、正直不安でいっぱいでした。

そんな中、検討時期を少し広げていただき、なんとか提案できる2日程をおふたりにご提示したところ、ご新婦様から「あっ!」と声が上がりました。

「この日、お母さんの誕生日です!」

おふたりのために、新婦様のお母様が空けておいてくれたのではないかと思うほど、運命的な日取りとの出会いに、思わず鳥肌が立つほど感動しました。

「この日にしよう」

そう力強く言葉にした新郎様に、目を潤ませながら笑顔で頷く新婦様。

ふたりの大切な新しい記念日が決まった瞬間でした。

家族へ感謝を伝える結婚式に向けて

おふたりのウエディングのテーマは「家族」と「感謝」。

大切なご家族に、今までの感謝を伝え、ふたりの幸せな姿を見守ってもらい、安心してもらうこと。

それは、今は亡き新婦様のお母様にも同じように届けられるよう、おふたりと打ち合わせを重ねていきました。

家族だけで過ごせる時間「ファミリータイム」

日本の結婚式では、家族は主催者側として、披露宴では末席に座り、ゲストにお酌回りをされたりと、もてなす側になることがほとんど。

今まで、ふたりの成長を一番近くで見守ってくれて、結婚式という日を誰よりも楽しみにしてくれているはずの家族。

そんな家族と直接触れ合える時間が限られてしまっていることが多いことに、私自身寂しさを感じていました。

そこで、おふたりの結婚式では、どのゲストよりも先にふたりの晴れ姿を披露し、一番最初に感謝を伝えられる時間をご用意したいと、家族だけで過ごす「ファミリータイム」をご提案しました。

さらに、その「ファミリータイム」の中で、新婦様のお母様の誕生日会を開催することをご提案。

これは、新婦様のご家族が誕生日をとても大切に考えており、いつも家族全員で誕生日をお祝いしていたというエピソードから、ヒントを得たアイデアでした。

おふたりの結婚式を機に、新しい家族となる両家で一緒に、新婦様のお母様の誕生日をお祝いする。

家族の輪が広がったことを実感できた瞬間になりました。

挙式ではお母様のイヤリングを身につけて

結婚式の日、花嫁が身につけると幸せになれる4つの物。「サムシングフォー」という英国の言い伝えがあります。

▪️Something Oldー何か古いものー

▪️Something Newー何か新しいものー

▪️Something Borrowー何か借りたものー

▪️Something Blueー何か青いものー

この中でも、「Something Oldー何か古いものー」にあたる幸運のアイテムとして、お母様から受け継いだイヤリングを身に付けて、挙式に臨まれた新婦様。

愛を誓う挙式シーンでも、大切なお母様の存在を身近に感じることができました。

テーブル装花にはお母様の誕生花を

テーブルに飾る装花には、お母様の誕生花をメインにデザインしたものをご用意。

「お母さんから受けた愛情は忘れていないよ」

「これからも見守っていてね」

そんな気持ちを、目に見える形でも表現し、パーティ中のどのシーンを切り取ってもお母様の存在を側に感じられる。

ふたりならではの、家族への愛情に溢れたコーディネートが叶いました。

まさかのサプライズ

パーティ終盤、新婦様からの手紙を読み終えたあと、突然司会者からこんなアナウンスが。

「今日という日を誰よりも心待ちにしていたある方から、お祝いのメッセージが届いております」

何もご存じないおふたりは、驚きの表情を隠せません。

「⚪︎⚪︎ちゃん、結婚おめでとうーーー」

その一文で全てを察し、思わず涙が込み上げる新婦様。

「⚪︎⚪︎ちゃん」

それは、今は亡きお母様が新婦様を呼ぶときの呼び方だったからです。

お父様からの電話

実は、結婚式の1週間ほど前、新婦様のお父様から1本のお電話をいただいていました。

「妻が亡くなる前に娘に残した手紙を、結婚式で読ませてもらいたい。」

新婦様のお母様は、いつか新婦様が結婚するときに渡してほしいと、一通の手紙をお父様に託されていました。

お父様には、必ず結婚式の中でお手紙を読ませていただくこととをお約束し、当日お待ちいただくことをお願いしました。

そこからは、当日結婚式に携わる司会者、キャプテンと緊急会議です!

お父様からの素敵なご提案。

ベストな方法•タイミングで新婦様にお届けしたい。

何度も、何度もシュミレーションをし、当日を迎えました。

お母様の想い

お母様のお手紙には、お母様からの溢れんばかりの愛情が込められていました。

初めて妊娠が分かった日のこと。

生まれたばかりの新婦様をその胸に抱いた日のこと。

初めて迎えた新婦様の誕生日をお祝いした日のこと。

そして何より、日常の何気ない瞬間が、お母様にとってかけがえのない瞬間であったことが、言葉のひとつひとつから伝わってきました。

そして、手紙はこんな言葉で締めくくられていました。

「お母さんは⚪︎⚪︎ちゃんの笑顔が大好きです。

⚪︎⚪︎ちゃんが毎日笑顔で過ごせるような、幸せな家庭を築いていくことを心から祈っています。」

お父様から、お母様の手紙を受け取る新婦様。

目には大粒の涙を浮かべながらも、その日一番の笑顔を見せてくれた新婦様の表情は、今でも忘れられません。

最後に

ひとつとして同じ結婚式はないからこそ、全ての結婚式に思いが溢れ、ドラマが生まれる。

皆さまの結婚式が、大切な人の心に残る素敵な結婚式になりますよう、これからも役立つ情報をお届けしていきます^^

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