こんにちは!

ウエディングプランナーとして、10年以上に渡り約1000組の結婚式をお手伝いしてきた茂木です♪

今日も新郎新婦様に一番近い存在として皆様の参考になる記事をお届けいたします。

今回は「元プランナーが解説!引き出物のアレコレ」について。

そもそも引き出物って?

引き出物とは、結婚式に参加してくれたゲストに配られるお返し物のことです。

古くから日本で行われてきた風習で、その始まりは平安時代にさかのぼります。

宴を開いたある貴族が、その成功の喜びと、宴に招いた客人と今後も良好な関係が続くようにとの願いを込めて、庭先に馬を「引き出し」て披露し、お土産に贈ったことが起源と言われています。

このことから、「宴の招待客へ贈るお土産」のことを「引き出物」と呼ぶようになったそうです。

引き出物の歴史

先述したように、平安時代に宴のお土産に馬を贈ったことから、引き出物の歴史が始まりました。

その後、室町時代になると一般に貨幣が流通し始めたことから、引き出物は馬から貨幣へとカタチを変え、「馬の代わり」という意味の「代馬(だいば)」「馬代(うましろ)」と呼ばれるようになりました。

さらに、戦国時代に入ると「戦国の世を勝ち残っていけるように」、「武運が高まるように」との願いを込めて、武具が贈られるようになり、

江戸時代に時代が移ると、現代の引き出物でも縁起物として贈られることがある鰹節や、高級魚でもある鯛を贈っていたと言われています。

結婚式を挙げることが庶民の間にも浸透した明治時代以降には、引き出物を贈るという文化も一般的になったようです。

このように、時代と共にその形を変えながらも、結婚式で招待客へ贈るものとして「引き出物」が定着していきました。

最近では、カタログギフトや引き出物カード、引き出物宅配というゲスト想いのアイテム•サービスも生まれています。

引き出物の実例

一般的な結婚式の引き出物は、以下の3つで構成されています。

【1】メインギフト(記念品)

【2】引き菓子

【3】縁起物

地域によっては5品や7品というところもありますが、今回は一般的な3品をご紹介していきたいと思います^^


【1】メインギフト(記念品)

引き出物の中で、1番高価なアイテムのことを言います。

金額の相場としては、3,000円から5,000円程度のものを用意することが多いですが、上司などの主賓クラスには10,000円ほどのアイテムを用意することもあります。

定番のアイテムとしては、カタログギフトや食器、タオルなど。

お返しをする相手によって、引き出物の金額を変える際は、引き菓子や縁起物は全ゲスト共通のものにして、メインギフト(記念品)の金額で調整をするのが一般的です。


【2】引き菓子

引き菓子とは、メインギフトに添えるお菓子のことです。

メインギフト(記念品)は、結婚式に出席したゲストに贈りますが、引き菓子は、出席したゲストの家族に対して贈るギフト。

「披露宴で出された料理をゲストの家族にもおすそ分けする」という意味があるので、ゲストの家族全員で食べられる内容量を意識して選ぶと安心♪

また、引き菓子の相場は大体1,000円~2,000円ほど。

高くても2,000円ちょっとという値段が一般的です。

引き菓子は引き出物に添える贈り物なので、基本的にはそこまで高価である必要はありませんが、地域によって考え方が異なる場合もあるので、それぞれの両親に確認しておくことをオススメします^^


【3】縁起物

縁起物とは、その名の通りメインギフトに添えてお渡しする「縁起のいいもの」のことです。 

例えば、「夫婦円満」を象徴していると言われている「鰹節」や、「おめでたい」の言葉から「鯛茶漬け」、「よろこんぶ(喜ぶ)」の言葉から「昆布」など、縁起のよい言葉を連想させるアイテムが定番!

金額の相場は引き菓子と同程度の1,000円から2,000円が一般的です。

基本的に、引き出物の3品目となることの多い「縁起物」ですが、実は必ず入れないといけないものではないんです。

そのため、近年では鰹節などのゲン担ぎのアイテムではなく、より実用的なアイテムを選ぶカップルや、縁起物は贈らず「メインギフト(記念品)」と「引き菓子」の2点で贈るカップルも。

そこで、引き出物に縁起物を入れる理由についてもご紹介したいと思います。

引き出物に縁起物を入れる理由って?

引き出物に縁起物を入れる理由として、引き出物の品数が、割り切れる偶数になることを避けるためと言われています。

結婚式という祝い事に関しては、例えばご祝儀も「割り切れる金額は入れない」など、「割れる」=「別れる」を連想させる偶数を避ける傾向があります。

そのため、引き出物も、「メインギフト(記念品)」と「引き菓子」だと偶数の2品になってしまうため、「縁起物」を入れて奇数の3品にするという考え方が浸透しました。

また、先述したように、「縁起物」とは縁起のいい意味が込められた品々でもあります。

そのため、結婚式に来てくれた大切なゲストたちに、「良いことがありますように」という願いを込めて、「縁起物」を贈る意味もあります。

さらに、メインの引き出物や引き菓子はゲスト全員同じものを用意したけど、例えば目上の人やお世話になった人には少し、引き出物を豪華にしたい・・・。

そんな時に、品数で差をつけるために「縁起物」を加えるという場合も。

「引き出物は3品にするのが正式なマナー」というわけではありませんが、これらの理由から引き出物に「縁起物」を加えている人が多い傾向があります^^

また、地域によって決まった縁起物があることもあるため、そこは注意が必要です!

迷ったときは、両親や年配の親族に相談してから決めることをオススメします♪

最後に

今回は、引き出物についてご紹介してきました。

結婚式でゲスト様に贈る引き出物は、上司や同僚、友人などの関係性や、既婚・未婚、 お子さんがいる家庭などゲストの家族構成によって、中身を変えて贈り分けをしたり、相手の好みや実用性を考えた物を贈るなど、 ゲストの立場に立って喜ばれるものを選ぶことが大切です。 

ぜひ、引き出物を受け取ったゲストの笑顔を思い浮かべながら、 じっくりと考えて選んでみてくださいね^^